「スメルジャコフ」の検索結果
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【35】 悪魔は迷う心にささやく ~スメルジャコフとイワンの破滅
「旅立つべきか、とどまるべきか」思い倦ねるイワンにスメルジャコフはフョードルとグルーシェンカの秘密の合図、首から提げた3000ルーブリの封筒について話し、「わたしがあなたの立場でしたら、何もかもほうりだして、さっさと行ってしまう」とそそのかす。コラム『悪魔とは何か』と併せて。 -
【31】現代のジョーカー スメルジャコフの怨念 ~卑しい生まれと認められぬ存在
痴れ者リザヴェータから生まれたスメルジャコフは「父親はフョードル」という噂から、自分もカラマーゾフ兄弟の一員ではないかという思いを抱いている。優れた才能を姫ながら、卑しい出自ゆえに蔑まれるスメルジャコフの鬱屈した心理を描く。 -
【18】 スメルジャコフと悪魔 ~ 無神論と反キリストの違い
調理係のスメルジャコフは不幸な生い立ちから拗けた人間に育つ。忠僕グリゴーリィは信心深い子に育てようとするが、屁理屈ばかり並べて、聖書の言葉を素直に受け取ろうとしない。「悪魔=誘惑する者」のスメルジャコフの内面と信心の本質について語られる場面。 -
【43】 一本のねぎと『蜘蛛の糸』 一筋の救いも利己心で切れる
ゾシマ長老の死後、奇跡が起きないどころか、フェラポント神父らに貶められたことで、アリョーシャは大きなショックを受けます。 そこにタイミングよくラキーチンが現わ... -
【42】 悪魔は心の隙間に忍び寄る ~ラキーチンの妬みと誘惑
ゾシマ長老の遺体が腐り、批判的な神父らから貶められたことで、アリョーシャはショックを受ける。そこにラキーチンがやって来て、堕落的な飲食をすすめ、グルーシェンカの住まいに連れて行こうとする。アリョーシャの信仰が揺らぐ節目となるパート。 -
【40-5】地獄とはもはや愛することができないという苦悩
ゾシマ長老最後の訓諭「地獄とはもはや愛することができないという苦悩」であり、愛は生きているうちにしか実践できないという喩え。ドストエフスキーの願いとその後のロマノフ王朝滅亡、ソ連崩壊は誰のせいであったかというコラムと併せて。 -
【40-2】 『キリストを拒否すれば、血の海を見るだけである』 ~ロシア革命とキリスト教弾圧
ゾシマ長老は死を前にして最後の説教をする。第二節『主従について、主従は精神的に互いに兄弟となりうるか』では、民衆の愚とキリストの教えの大切さを説いている。その後、ロシア革命で弾圧された歴史と併せて。 -
キリスト教を理解することは神の愛を実践すること ~「赦す」「手放す」「委ねる」
キリスト教の本をたくさん読んだらといって、必ずしも、その心髄を理解できるとは限りません。知識は「知識」であって、「体験」ではないからです。 特にドストエフスキ... -
【36】イワンの哀しき別れ ~おれは卑劣漢だ!
イワンはドミートリイと父の間の悲劇を予感しながらも、父に対する嫌悪感から、父の願いを蹴ってモスクワに向かう。それを見越していたスメルジャコフは「賢い人とはちょっと話すだけで面白い」とほくそ笑む印象的な場面。 -
【34-3】 『大審問官』 イエスの沈黙の意味 ~アリョーシャとイワンの別れ
料亭≪みやこ≫で「神はあるのか、ないのか」について語り合った後、イワンはアリョーシャに別れを告げて旅に出ようとする。イワンの胸の内を知ったアリョーシャは否定の気持ちと愛が両立するわけがないと案じ、自分の居場所はないと感じるイワンに愛情を込めてキスをする。