当サイトは『Novella 文芸』の姉妹サイトです。『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』を中心に、ドストエフスキーの作品を読み解くコラムを掲載しています。翻訳者・江川卓(原卓也先生も含む)の推し活も兼ねています。冗長・難解・まわりくどいで知られるドストエフスキーの名作を少しでも身近に感じて頂けたら嬉しいです。
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【40-3】 愛と祈りを忘れるなかれ ~小さな愛が世界を大海のように包む
ゾシマ長老から最後の訓諭。『祈りと、愛と、他界との接触について』の項では、信念を持ち続けることの大切さと、愛が一朝一夕には育たないことを説いている。 -
【40-2】 『キリストを拒否すれば、血の海を見るだけである』 ~ロシア革命とキリスト教弾圧
ゾシマ長老は死を前にして最後の説教をする。第二節『主従について、主従は精神的に互いに兄弟となりうるか』では、民衆の愚とキリストの教えの大切さを説いている。その後、ロシア革命で弾圧された歴史と併せて。 -
【40-1】 ゾシマ長老の名言とドストエフスキーの遺言『富者にあっては、それは孤立と精神的な自殺であり、貧者にあっては、羨望と殺人である 』
死を前にして、ゾシマ長老は修道僧らに最後の説教を行なう。第一節『ロシアの修道僧とそのもちうべき意義について』では、沈潜の価値とロシア民衆の救いが述べられている。 -
罪の告白と改悛、愛と赦し ~神の視点を求めて
『キリスト教を理解することは神の愛を実践すること ~「赦す」「手放す」「委ねる」』にも書いていますが、『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』に限って言えば、キリス... -
【39】 世界を変えるのは人の心から ~告解と改悛と赦しの意義
若き日のゾシマ長老は傲慢で血気盛んな若者だった。失恋の恨みから恋敵に決闘を吹っかけ、下男を殴りつけるが、突如、改悛の情が訪れ、僧院に入ることを決意する。そんな彼の元に謎の訪問者が現われ、遠い過去の殺人の罪を打ち明ける。 -
キリスト教を理解することは神の愛を実践すること ~「赦す」「手放す」「委ねる」
キリスト教の本をたくさん読んだらといって、必ずしも、その心髄を理解できるとは限りません。知識は「知識」であって、「体験」ではないからです。 特にドストエフスキ... -
キリスト教を学ぼう 初心者向けの本 ~『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』を理解する為に
初心者におすすめのキリスト教の本を紹介。いきなり聖書を読むより、美術本、図解ムック、ドキュメンタリー、伝記映画などから入ると分かりやすいです。キリスト教を知れば、絵画や映画を鑑賞する楽しみもぐっと拡がりますので、興味のある方はぜひトライして下さい。 -
【38】ゾシマ長老の伝記とドストエフスキーの遺言 ~ヨブ記のエピソードより
死に瀕して、ゾシマ長老は神父やアリョーシャに自身の半生を語り、最後の訓諭を与える。ゾシマ長老の感銘は、脱稿に急逝したドストエフスキーの遺言のようでもあり、宗教的体験が垣間見えるようなパートに仕上がっている。 -
【37】 人生は数多くの不幸をもたらすが、その不幸によって幸福になる ~一粒の麦、もし地に落ちて死なずば
瀕死のゾシマ長老は、父と二人の兄の身を案じて涙を流すアリョーシャに「不幸によってこそ、おまえは幸福になる」と励まし、『一粒の麦、もし地に落ちて死なずば』というイエスの精神を覚えておくよう諭す。 -
【36】イワンの哀しき別れ ~おれは卑劣漢だ!
イワンはドミートリイと父の間の悲劇を予感しながらも、父に対する嫌悪感から、父の願いを蹴ってモスクワに向かう。それを見越していたスメルジャコフは「賢い人とはちょっと話すだけで面白い」とほくそ笑む印象的な場面。