大審問官と神の救済– tag –
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【34-3】 『大審問官』 イエスの沈黙の意味 ~アリョーシャとイワンの別れ
料亭≪みやこ≫で「神はあるのか、ないのか」について語り合った後、イワンはアリョーシャに別れを告げて旅に出ようとする。イワンの胸の内を知ったアリョーシャは否定の気持ちと愛が両立するわけがないと案じ、自分の居場所はないと感じるイワンに愛情を込めてキスをする。 -
叙情詩『大審問官』 江川卓の注解(用語と引用)
長兄ドミートリイによる父親殺しを予感しながらも、ヨーロッパに旅立とうとするイワンの行動にアリョーシャは強い不安を抱くが、イワンは「カインとアベル」になぞらえて、「僕は兄貴の番人じゃない」とあしらう。後々、この判断がイワンの良心の呵責となって重くのしかかる。 -
【34】 大審問官 悪魔の現実論を論破せよ ~アリョーシャの接吻の意味
マタイ福音書「悪魔の三つの誘惑」を元に、大審問官がイエスに現実の矛盾を問い質す名場面。『イエスの接吻が意味すること』『イワンこそ現代人の葛藤』『心が死ねば肉体も死ぬ』『人間とは弱く卑しいもの』『大審問官の意味を探しても答えはない』等。江川卓『謎解きカラマーゾフの兄弟』の解説を交えて紹介。 -
【33】 神さまに天国への入場券をお返しする ~子供たちの涙の上に幸福を築けるか?
イワンは子供たちへの虐待を引き合いに出し、無垢な涙の上に幸福の建物を築けるかと問いかける。神は認めても、神の創った世界は認めない。だから天国への入場券をつつしんで神さまにお返しする、というイワンの心情が綴られた名場面。 -
イワンとアリョーシャの兄弟愛 江川卓の『謎とき カラマーゾフの兄弟』より ~桜んぼのジャムのエピソード
イワンとアリョーシャが大審問官について語り合う場面に登場する『桜んぼのジャム』を実際にロシアで食して感激した江川先生のエピソードを紹介。天国への入場券をつつしんでお返しするというイワンの心情と、カラマーゾフの血を受け継ぐアリョーシャの皇帝暗殺に関するコラムです。
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