アリョーシャ(アレクセイ・カラマーゾフ)– キャラクター紹介 –
本作の主人公。カラマーゾフ家の三男。フョードルと第二の妻ソフィヤの間に生まれた。
天真爛漫な青年で、「理想の進路を示してくれた」という理由から神の道を志す。高徳の僧、ゾシマ長老を尊敬し、一生を捧げる覚悟だったが、カラマーゾフ家の問題を知った長老に「父と兄たちの側にいなさい」と諭され、僧院を出る。幼なじみのリーズと婚約。
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【44】 『ガラリヤのカナ』とアリョーシャの覚醒 ~大人になるということ
ゾシマ長老の遺体の『腐臭』とフェラポント神父の揶揄に衝撃を受けたアリョーシャは、自暴自棄的にラキーチンの誘いに乗り、淫婦グルーシェンカの住まいに行きます。 グ... -
【43】 一本のねぎと『蜘蛛の糸』 一筋の救いも利己心で切れる
ゾシマ長老の死後、奇跡が起きないどころか、フェラポント神父らに貶められたことで、アリョーシャは大きなショックを受けます。 そこにタイミングよくラキーチンが現わ... -
【42】 悪魔は心の隙間に忍び寄る ~ラキーチンの妬みと誘惑
ゾシマ長老の遺体が腐り、批判的な神父らから貶められたことで、アリョーシャはショックを受ける。そこにラキーチンがやって来て、堕落的な飲食をすすめ、グルーシェンカの住まいに連れて行こうとする。アリョーシャの信仰が揺らぐ節目となるパート。 -
【37】 人生は数多くの不幸をもたらすが、その不幸によって幸福になる ~一粒の麦、もし地に落ちて死なずば
瀕死のゾシマ長老は、父と二人の兄の身を案じて涙を流すアリョーシャに「不幸によってこそ、おまえは幸福になる」と励まし、『一粒の麦、もし地に落ちて死なずば』というイエスの精神を覚えておくよう諭す。 -
【34】 大審問官 悪魔の現実論を論破せよ ~アリョーシャの接吻の意味
マタイ福音書「悪魔の三つの誘惑」を元に、大審問官がイエスに現実の矛盾を問い質す名場面。『イエスの接吻が意味すること』『イワンこそ現代人の葛藤』『心が死ねば肉体も死ぬ』『人間とは弱く卑しいもの』『大審問官の意味を探しても答えはない』等。江川卓『謎解きカラマーゾフの兄弟』の解説を交えて紹介。 -
【33】 神さまに天国への入場券をお返しする ~子供たちの涙の上に幸福を築けるか?
イワンは子供たちへの虐待を引き合いに出し、無垢な涙の上に幸福の建物を築けるかと問いかける。神は認めても、神の創った世界は認めない。だから天国への入場券をつつしんで神さまにお返しする、というイワンの心情が綴られた名場面。 -
【32-2】 僕は神を認めないんじゃない、神の創った世界が認められないんだ
アリョーシャと「神はあるのか、ないのか」と論議を交わすイワン。「ぼくは神を認める。だが神の創った世界は認められない」と断言する。一方、神に救われたがっているイワンの心情が垣間見える名場面の序章。 -
【32-2】 論理以前に生を愛する「ぼくは生きたい、論理に逆らってでも生きたい」
アリョーシャは料亭≪みやこ≫で一人で食事するイワンと落ち合い、将来のことやカチェリーナのことを語り合う。二人の兄弟らしい情愛やイワンの若々しい心情が感じられる名場面。 -
【30】 あなたの手紙も一通だって読んだりしないわ ~嘘つきリーズの危険な誓い
リーズはアリョーシャに恋文を書き送り、アリョーシャはその想いを受け入れて、結婚の約束をする。しかし、リーズも、ホフラコワ夫人も、立ち聞き、盗み読み、大好きの支配的な性格で、アリョーシャの結婚生活も破綻するのが目に見えている。アリョーシャの破滅の引き金を引く、リーズの暗い性格が垣間見える場面。 -
【29】持てる者の驕りと弱者への気づかい ~アリョーシャとリーズの婚約より
アリョーシャはホフラコワ夫人の屋敷で、リーズとスネギリョフ二等大尉の事を語り合う。カチェリーナから託された200ルーブリの見舞金をスネギリョフは受け取ろうとしなかったからです。しかしアリョーシャはその心情を理解し、「僕たちは対等であるべきです」と考えを新たにする。