アリョーシャ(アレクセイ・カラマーゾフ)– キャラクター紹介 –
![](https://dostoevsky.onl/wp-content/uploads/2023/01/karamazov-aleksay-portrait.jpg)
本作の主人公。カラマーゾフ家の三男。フョードルと第二の妻ソフィヤの間に生まれた。
天真爛漫な青年で、「理想の進路を示してくれた」という理由から神の道を志す。高徳の僧、ゾシマ長老を尊敬し、一生を捧げる覚悟だったが、カラマーゾフ家の問題を知った長老に「父と兄たちの側にいなさい」と諭され、僧院を出る。幼なじみのリーズと婚約。
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【28】 イリューシャ少年とスネギリョフ ~貧しい一家とカラマーゾフ家の施し
アリョーシャはドミートリイに往来で殴られたスネギリョフ二等大尉を見舞うが、一家の窮状は想像以上で、少年イリューシャは病床にあった。アリョーシャはカチェリーナから預かった見舞金200ルーブリを大尉に渡そうとするが、大尉はそれを両手で潰して、踏みつける。アリョーシャが社会の現実と底辺で生きる人々の苦しみと誇りを知る名場面。 -
【26】天下の悪妻リーズと結婚の約束 ~アリョーシャの墓穴を掘る娘
アリョーシャはホフラコワ夫人の屋敷を訪ね、彼に恋文を寄越した娘のリーズに結婚を申し込みます。しかしながら、既にヒステリックな気性が感じられ、不幸な未来しか見えない、おばちゃん心配しちゃう一場面です。 -
【25】 イリューシャと少年たち ~未来の12人の使徒とカラマーゾフ姓の由来
アリョーシャは川縁で石を投げ合う少年たちに出会います。小柄なイリューシャは一人で少年グループに立ち向かい、アリョーシャはイリューシャを庇おうとするが、逆にイリューシャに石を投げられ、指に噛みつかれる。幻の続編で十二人の使徒となる少年たちとの出会いと「カラマーゾフ」の意味について解説。 -
【24】イワンなんか糞くらえ、ミーチャはごきぶりみたいに踏みつぶす ~老親の妄執と息子への憎悪
アリョーシャが父の家に立ち寄ると、フョードルは快く歓迎するが、ドミートリイとイワンに対しては「ビタ一文もやりはせん」と嫌悪感を露わにする。アリョーシャはそんな父を抱擁し、フョードルも驚いたようにアリョーシャを食事に誘う。そしてそれが最後の別れになってしまう、印象的な場面。 -
【23】 だれにも愛されない人の為に祈りなさい ~ゾシマ長老の遺言とパイーシイ神父の訓諭
アリョーシャの心の支えであるゾシマ長老は互いに愛し合うよう遺言を伝える。一方、長老に批判的なフェラポント神父は無知な修道僧を相手に不思議を説き、人心を惑わせる。老齢のパイーシイ神父はこれから俗界に出るアリョーシャに、似非キリストに気をつけるよう教え諭す。 -
【13-2】 ラキーチンは裏切り者のユダ? 嫉妬と野心が結びつく時
ラキーチンの野心とカラマーゾフ一族に対する屈折した感情が見え隠れするスリリングな場面。アリョーシャの秘めた好色と生きる意欲の源泉に関する江川卓の解説を交えながら、幻の後編に描かれたかもしれない皇帝暗殺計画について解説。 -
【5】リアリストは自分が信じたいものを信じる ~アリョーシャの信仰とゾシマ長老
自身の意思によって神の道に進んだアリョーシャは高徳の長老ゾシマを心から慕い、奇跡を待ち望む。アリョーシャの信仰心と『聖トマスの不信』、ロシアの長老制度と奇跡に関するコラム。 -
【22-2】アリョーシャの祈り ~皆に愛と救いが訪れるように
兄と父の金銭問題、三角関係など、アリョーシャの心は不安と悲しみでいっぱいだ。心の支えであるゾシマ長老も死の床にあり、この先どうなるのかアリョーシャにも分からない。長老のかたわらで一心に祈るアリョーシャの姿が印象的な場面。 -
【13-1】 僧院はお前の居るべき世界ではない ~行動の愛こそ魂の修業
カラマーゾフ一家の争いを目の当たりにしたゾシマ長老はアリョーシャに僧院を出て、二人の兄の側に居るよう促す。アリョーシャは動揺するが、俗世に戻り、家族に尽くすことが真の修業であることを教えす。「行動の愛」とは何か、ゾシマ長老の哲学が感じられる場面。 -
【20】 蛇が蛇を食い殺すだけ ~他人の死を希望する権利はあるのか?
グルーシェンカが父と逢瀬していると思い込んだドミートリイはカラマーゾフ家に乗りこみ、フョードルを激しく殴りつける。このままでは殺人が起きるとアリョーシャは恐ろしい予感に震えるが、イワンは心で思うのは自由だと「他人の死を希望する権利」を肯定する。果たしてそれは許されるのか。