フョードル・カラマーゾフ– キャラクター紹介 –
富裕な大地主。放埒な性格ながら金勘定には抜け目なく、最初の妻アデライーダの持参金を元手に裕福になる。悪ふざけの好きな淫蕩オヤジだが、意外に知性的で、アリョーシャを恃みにしている。ドミートリイに当てつけるように、3000ルーブリでグルーシェンカの歓心を買おうとするが、何ものかによって撲殺される。
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【36】イワンの哀しき別れ ~おれは卑劣漢だ!
イワンはドミートリイと父の間の悲劇を予感しながらも、父に対する嫌悪感から、父の願いを蹴ってモスクワに向かう。それを見越していたスメルジャコフは「賢い人とはちょっと話すだけで面白い」とほくそ笑む印象的な場面。 -
【24】イワンなんか糞くらえ、ミーチャはごきぶりみたいに踏みつぶす ~老親の妄執と息子への憎悪
アリョーシャが父の家に立ち寄ると、フョードルは快く歓迎するが、ドミートリイとイワンに対しては「ビタ一文もやりはせん」と嫌悪感を露わにする。アリョーシャはそんな父を抱擁し、フョードルも驚いたようにアリョーシャを食事に誘う。そしてそれが最後の別れになってしまう、印象的な場面。 -
【14】 現代は自由主義のご時世、汽船と鉄道の時代ですぜ! ~時代の変わり目と行き場のない人々
淫蕩父フョードルは家族の会合で醜態をさらし、一旦、帰路につくが、「行きつくところまで行ってやれ」と道化に徹することを決め、僧院長の食事会に乗りこむ。他の出席者を愚弄し、僧院の偽善を嘲ると、「アレクセイは父親の権利で永久に引き取る」と言い放ち、僧院と決裂する。コラム『場ちがいな会合と行き場のない人々』 -
【12】どうしてこんな人間が生きているんだ! ~ゾシマ長老はなぜ大地に頭を下げたのか
長男ドミートリイは父フョードルと和解する為、ゾシマ長老の会合に出席するが、神父の前でもフョードルはカチェリーナやグルーシェンカをを侮辱し、ドミートリイは「どうしてこんな人間が生きているんだ」と怒りを露わにする。一家の不幸を予感したゾシマ長老は、ドミートリイの足元に叩頭し「お赦しくだされ」と訴える、本作屈指の名場面。 -
【1】淫蕩父 フョードル・カラマーゾフ 指針を欠いたロシア的でたらめさ
淫蕩父フョードルは令嬢アデライーダと結婚しますが、結婚生活はすぐに破綻し、アデライーダは3歳の長男ミーチャを置いて、家を出て行ってしまう。フョードルは人の恨みをかって殺されるような邪悪な人物だったのか。『ロシア的でたらめさ』をキーワードに田舎オヤジの本質を解説。 -
【19】「神はあるのか」「いいえ、ありません」「イワンのほうが正しいらしいな」
カラマーゾフ家に帰ったアリョーシャをフョードルは歓迎し、イワンとテーブルを囲んで歓談する。「神はあるのか」という有名な問答をキリスト教の『復活』に喩えて解説。イワンとアリョーシャの違い、現実主義者のフョードルの知性が感じられる名場面。 -
【6】 僧院の『薔薇の谷間』とゾシマ長老の女好き ~薔薇は何を意味するのか
父フョードルと長男ドミートリイの金銭問題を解決するため、高徳の僧ゾシマ長老の仲裁の元、家族会議が開かれるが、僧院に到着するや否や、さっそくフョードルの下品な物言いが始まる。フョードルが揶揄する『薔薇の谷間』について、江川卓の≪謎解き≫を元に解説。 -
【7】 自分にも他人にも嘘をつけば真実が分からなくなる 老いたる道化 フョードルとゾシマ長老の会話
僧院でもふざけた態度を取り続けるフョードルに、ゾシマ長老は「自分自身に嘘をつけば、自分のうちにも周囲にも真実が見分けられなくなり、自分にも他人にも尊敬を抱けなくなる」と諭す。長老の洞察力とフョードルの真の姿が垣間見える場面。
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