原卓也の『カラマーゾフの兄弟』– tag –
原卓夫訳『カラマーゾフの兄弟』(新潮社)に基づく文芸コラムです。
筆者は大審問官のあたりで話を見失い、江川卓に乗り換えました。
以下の記事も参考にどうぞ。
・ 『カラマーゾフの兄弟』江川卓訳をお探しの方へ
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【34-3】 『大審問官』 イエスの沈黙の意味 ~アリョーシャとイワンの別れ
料亭≪みやこ≫で「神はあるのか、ないのか」について語り合った後、イワンはアリョーシャに別れを告げて旅に出ようとする。イワンの胸の内を知ったアリョーシャは否定の気持ちと愛が両立するわけがないと案じ、自分の居場所はないと感じるイワンに愛情を込めてキスをする。 -
【23】 だれにも愛されない人の為に祈りなさい ~ゾシマ長老の遺言とパイーシイ神父の訓諭
アリョーシャの心の支えであるゾシマ長老は互いに愛し合うよう遺言を伝える。一方、長老に批判的なフェラポント神父は無知な修道僧を相手に不思議を説き、人心を惑わせる。老齢のパイーシイ神父はこれから俗界に出るアリョーシャに、似非キリストに気をつけるよう教え諭す。 -
【13-2】 ラキーチンは裏切り者のユダ? 嫉妬と野心が結びつく時
ラキーチンの野心とカラマーゾフ一族に対する屈折した感情が見え隠れするスリリングな場面。アリョーシャの秘めた好色と生きる意欲の源泉に関する江川卓の解説を交えながら、幻の後編に描かれたかもしれない皇帝暗殺計画について解説。 -
⑨ いかにして我は無神論者となりしか ~不条理な現実とイワンの義憤 《原卓也のカラマーゾフ随想》
イワンの出立を前にアリョーシャは居酒屋で兄弟の会話を楽しむ。イワンの人生観、神への問いかけなど、本作の心髄が凝縮された名場面。『神も悪魔も存在しない ~イワンの無神論』『人生のどんな嫌悪にも、俺の若さが打ち克つ』『神は人間が考えだしたもの』『子供の犠牲の上に天国が築けるが』『天国への切符を慎んでお返しする』『神とは、赦す存在』『人間を愛するか、世界を愛するか』『大審問官に続く重要な問いかけ』
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