イワン・カラマーゾフ– キャラクター紹介 –
ラマーゾフ家の次男で、クールな無神論者。第二の妻ソフィヤとの間に生まれるが、アリョーシャと一緒にボレーノフ家に引き取られ、不幸な生い立ちから心をこじらせる。人一倍、鋭敏で、潔癖な性格から、神の義を疑うようになり、アリョーシャと「神はあるのか」をめぐって議論を戦わせる。心秘かにカチェリーナを愛し、カチェリーナもイワンを慕っているが、ドミートリイの存在が邪魔をして、互いに素直になれない。父親殺しを予感しながらも、父を見捨てて、モスクワに旅立ったことから、良心の呵責に苛まれ、悪魔の幻影を見るようになる。
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【20】 蛇が蛇を食い殺すだけ ~他人の死を希望する権利はあるのか?
グルーシェンカが父と逢瀬していると思い込んだドミートリイはカラマーゾフ家に乗りこみ、フョードルを激しく殴りつける。このままでは殺人が起きるとアリョーシャは恐ろしい予感に震えるが、イワンは心で思うのは自由だと「他人の死を希望する権利」を肯定する。果たしてそれは許されるのか。 -
【19】「神はあるのか」「いいえ、ありません」「イワンのほうが正しいらしいな」
カラマーゾフ家に帰ったアリョーシャをフョードルは歓迎し、イワンとテーブルを囲んで歓談する。「神はあるのか」という有名な問答をキリスト教の『復活』に喩えて解説。イワンとアリョーシャの違い、現実主義者のフョードルの知性が感じられる名場面。 -
【3】 自己卑下と高い知性が結びつく ~人間界の代表 イワン
次男イワンと三男アリョーシャは将軍夫人の家に引き取られるが、居候の引け目と淫蕩父を恥じる気持ちからイワンは気むずかしい青年に育つ。天と地の両面を併せ持つイワンの悲しい生い立ちと、父フョードルの意外な情愛が描かれる。 -
イワンとアリョーシャの兄弟愛 江川卓の『謎とき カラマーゾフの兄弟』より ~桜んぼのジャムのエピソード
イワンとアリョーシャが大審問官について語り合う場面に登場する『桜んぼのジャム』を実際にロシアで食して感激した江川先生のエピソードを紹介。天国への入場券をつつしんでお返しするというイワンの心情と、カラマーゾフの血を受け継ぐアリョーシャの皇帝暗殺に関するコラムです。
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