カラマーゾフの兄弟– category –
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【1】淫蕩父 フョードル・カラマーゾフ 指針を欠いたロシア的でたらめさ
淫蕩父フョードルは令嬢アデライーダと結婚しますが、結婚生活はすぐに破綻し、アデライーダは3歳の長男ミーチャを置いて、家を出て行ってしまう。フョードルは人の恨みをかって殺されるような邪悪な人物だったのか。『ロシア的でたらめさ』をキーワードに田舎オヤジの本質を解説。 -
【5】リアリストは自分が信じたいものを信じる ~アリョーシャの信仰とゾシマ長老
自身の意思によって神の道に進んだアリョーシャは高徳の長老ゾシマを心から慕い、奇跡を待ち望む。アリョーシャの信仰心と『聖トマスの不信』、ロシアの長老制度と奇跡に関するコラム。 -
【22-2】アリョーシャの祈り ~皆に愛と救いが訪れるように
兄と父の金銭問題、三角関係など、アリョーシャの心は不安と悲しみでいっぱいだ。心の支えであるゾシマ長老も死の床にあり、この先どうなるのかアリョーシャにも分からない。長老のかたわらで一心に祈るアリョーシャの姿が印象的な場面。 -
【13-1】 僧院はお前の居るべき世界ではない ~行動の愛こそ魂の修業
カラマーゾフ一家の争いを目の当たりにしたゾシマ長老はアリョーシャに僧院を出て、二人の兄の側に居るよう促す。アリョーシャは動揺するが、俗世に戻り、家族に尽くすことが真の修業であることを教えす。「行動の愛」とは何か、ゾシマ長老の哲学が感じられる場面。 -
【22-1】カチェリーナの自己愛とドミートリイの訣別 ~女の意地は悪魔より強い
カチェリーナはグルーシェンカの手の甲にキスしたが、グルーシェンカはキスを返さなかった事を、アリョーシャから伝え聞いたドミートリイは大笑いし、彼女は自分の夢想に惚れこんでいるのだと断言する。カチェリーナという女性の本質とドミートリイの決意が描かれる重要な場面。 -
【21】 二人の女の愛と意地 ~プライドは愛より強し? 令嬢カチェリーナ
アリョーシャはドミートリイの愛のメッセンジャーとしてカチェリーナの邸宅を訪れ、ドミートリイの謝罪を伝えるが、カチェリーナは愛の終わりを認めようとしない。彼女は事前にグルーシェンカと話し合い、「ドミートリイとの結婚はない」という約束を取り付けていたのだ。しかしグルーシェンカは突然態度を翻す。 -
【20】 蛇が蛇を食い殺すだけ ~他人の死を希望する権利はあるのか?
グルーシェンカが父と逢瀬していると思い込んだドミートリイはカラマーゾフ家に乗りこみ、フョードルを激しく殴りつける。このままでは殺人が起きるとアリョーシャは恐ろしい予感に震えるが、イワンは心で思うのは自由だと「他人の死を希望する権利」を肯定する。果たしてそれは許されるのか。 -
【19】「神はあるのか」「いいえ、ありません」「イワンのほうが正しいらしいな」
カラマーゾフ家に帰ったアリョーシャをフョードルは歓迎し、イワンとテーブルを囲んで歓談する。「神はあるのか」という有名な問答をキリスト教の『復活』に喩えて解説。イワンとアリョーシャの違い、現実主義者のフョードルの知性が感じられる名場面。 -
【18】 スメルジャコフと悪魔 ~ 無神論と反キリストの違い
調理係のスメルジャコフは不幸な生い立ちから拗けた人間に育つ。忠僕グリゴーリィは信心深い子に育てようとするが、屁理屈ばかり並べて、聖書の言葉を素直に受け取ろうとしない。「悪魔=誘惑する者」のスメルジャコフの内面と信心の本質について語られる場面。 -
【17】ドミートリイの告白 ~3000ルーブリをめぐるカチェリーナの愛憎とフョードルの金銭問題
フョードル殺しの発端となる3000ルーブリの使い込みと、カチェリーナ&グルーシェンカをめぐる色恋について箇条書きで解説。この経緯が理解できないと物語全体を見失うので頑張りましょう。随所に差し込まれるギリシャ詩などの意味を江川卓の注釈を元に解説。