カラマーゾフの兄弟– category –
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【32-2】 僕は神を認めないんじゃない、神の創った世界が認められないんだ
アリョーシャと「神はあるのか、ないのか」と論議を交わすイワン。「ぼくは神を認める。だが神の創った世界は認められない」と断言する。一方、神に救われたがっているイワンの心情が垣間見える名場面の序章。 -
【32-2】 論理以前に生を愛する「ぼくは生きたい、論理に逆らってでも生きたい」
アリョーシャは料亭≪みやこ≫で一人で食事するイワンと落ち合い、将来のことやカチェリーナのことを語り合う。二人の兄弟らしい情愛やイワンの若々しい心情が感じられる名場面。 -
【31】現代のジョーカー スメルジャコフの怨念 ~卑しい生まれと認められぬ存在
痴れ者リザヴェータから生まれたスメルジャコフは「父親はフョードル」という噂から、自分もカラマーゾフ兄弟の一員ではないかという思いを抱いている。優れた才能を姫ながら、卑しい出自ゆえに蔑まれるスメルジャコフの鬱屈した心理を描く。 -
【30】 あなたの手紙も一通だって読んだりしないわ ~嘘つきリーズの危険な誓い
リーズはアリョーシャに恋文を書き送り、アリョーシャはその想いを受け入れて、結婚の約束をする。しかし、リーズも、ホフラコワ夫人も、立ち聞き、盗み読み、大好きの支配的な性格で、アリョーシャの結婚生活も破綻するのが目に見えている。アリョーシャの破滅の引き金を引く、リーズの暗い性格が垣間見える場面。 -
【29】持てる者の驕りと弱者への気づかい ~アリョーシャとリーズの婚約より
アリョーシャはホフラコワ夫人の屋敷で、リーズとスネギリョフ二等大尉の事を語り合う。カチェリーナから託された200ルーブリの見舞金をスネギリョフは受け取ろうとしなかったからです。しかしアリョーシャはその心情を理解し、「僕たちは対等であるべきです」と考えを新たにする。 -
【28】 イリューシャ少年とスネギリョフ ~貧しい一家とカラマーゾフ家の施し
アリョーシャはドミートリイに往来で殴られたスネギリョフ二等大尉を見舞うが、一家の窮状は想像以上で、少年イリューシャは病床にあった。アリョーシャはカチェリーナから預かった見舞金200ルーブリを大尉に渡そうとするが、大尉はそれを両手で潰して、踏みつける。アリョーシャが社会の現実と底辺で生きる人々の苦しみと誇りを知る名場面。 -
【27】カチェリーナとうわずりの愛 ~気位の高い女とイワンの別れ
ホフラコワ夫人の屋敷で、カチェリーナとイワンが互いの気持ちをぶつけ合う。カチェリーナは心の底ではイワンを愛しているのに、義務と名誉の気持ちからドミートリイと結婚すると言い張る。真実の愛よりも自分の面子を優先するカチェリーナに愛想が尽きたイワンは「モスクワに行く」と別れを告げる。カチェリーナとイワン、それぞれの愛が垣間見える名場面。 -
【26】天下の悪妻リーズと結婚の約束 ~アリョーシャの墓穴を掘る娘
アリョーシャはホフラコワ夫人の屋敷を訪ね、彼に恋文を寄越した娘のリーズに結婚を申し込みます。しかしながら、既にヒステリックな気性が感じられ、不幸な未来しか見えない、おばちゃん心配しちゃう一場面です。 -
【25】 イリューシャと少年たち ~未来の12人の使徒とカラマーゾフ姓の由来
アリョーシャは川縁で石を投げ合う少年たちに出会います。小柄なイリューシャは一人で少年グループに立ち向かい、アリョーシャはイリューシャを庇おうとするが、逆にイリューシャに石を投げられ、指に噛みつかれる。幻の続編で十二人の使徒となる少年たちとの出会いと「カラマーゾフ」の意味について解説。 -
【24】イワンなんか糞くらえ、ミーチャはごきぶりみたいに踏みつぶす ~老親の妄執と息子への憎悪
アリョーシャが父の家に立ち寄ると、フョードルは快く歓迎するが、ドミートリイとイワンに対しては「ビタ一文もやりはせん」と嫌悪感を露わにする。アリョーシャはそんな父を抱擁し、フョードルも驚いたようにアリョーシャを食事に誘う。そしてそれが最後の別れになってしまう、印象的な場面。